カエルツボカビフォーラムの報告

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既にニュースで報道されていますが、一昨日行われたカエルツボカビフォーラムの内容(概略)です。



「飼育されているカエルの感染状況 (麻布大学 宇根 准教授)」

これまでに愛玩用に飼育されているカエル172例以上について検査を行った。多くは健康上なんらかの問題があり、コア獣医師経由で検査に持ち込まれたもの。この内の61例以上からカエルツボカビが検出された。

さらにその中の41匹以上(飼育場所で10ヶ所)が真性ツボカビ症と診断された。真性ツボカビ症と診断されたカエルはアマゾンツノガエル、ベルツノガエル、ナンベイウシガエル、イエアメガエル、ピパパルバ、バジェットガエル、ペパーミントツノガエル等。新規個体導入に伴い感染したケースが多い。また、別のケージで飼育しているカエルに飼育水を通して伝染したケースが何例かあった。

餌用のカエル(ウキガエル)は横浜、神奈川、埼玉、東京の4ヶ所から入手して検査を行った。検査した個体の約55%がカエルツボカビ陽性だった。入手先4ヶ所全てで陽性反応が確認された。

実験用のカエル(アフリカツメガエル)はかなりの高率でカエルツボカビを保菌していることがわかった。

感想他: ウキガエル、アフリカツメガエルに関しては基本的にカエルツボカビに感染していると考えてください。これらのカエルを飼育している方は特に飼育水の消毒処理と、他のカエルとの接触、飼育水の混入等に注意する必要があります。

ウキガエルについては、飼育水の処理を考えると熱帯魚の餌としての利用は難しいと考えた方がよいでしょう。



カエルツボカビ症の治療 (田向 田園調布動物園院長)

これまでに8個体のカエルツボカビ治療を実施。(ツノガエル、バジェット、チャコガエル、ナンベイウシガエル、タイガーサラマンダー)治療には坑真菌薬を使用。全てのケースでカエルツボカビのPCR検査が陰性になり、皮膚病変、食欲不振などの症状が改善した。

感想他: カエルツボカビは治療可能です。チャコガエルのケースでは外見上もうほとんど助からないと思えるような状態から持ち直していました。といっても症状が進行すればそれだけ危険が高まるので、早め早めに獣医さんに相談しましょう。

今回の発表で考えさせられたのが「カエルツボカビを治療すべきか淘汰すべきか」という問題です。獣医師の間では緊急事態宣言の後、最初にこの問題が話題になったそうです。トリインフルエンザが発見された養鶏場のニワトリの例からもわかるように、感染性が高く蔓延すると重大な被害を起こす感染症の場合、感染が見つかったら処分するという方法が通常はとられています。(摘発淘汰方式というそうです)

愛玩用として飼育されている個体の場合、感染個体が治療されず処分されるとわかったら多くの飼育者は検査を敬遠する事になる等を考えて治療を行う事を決定したそうです。私もこの考え方に賛成です。

治療可能なものは治療する方が動物の利用倫理的に望ましい事、1箇所で大量に飼育しており病原菌の漏えいを防ぎながら治療する事が現実的でない家畜飼育と異なり、愛玩飼育の場合は飼育頭数が限られているケースが多い事、カエルツボカビは空気感染せず、飼育水の適切な処理で逸出を防げる事、獣医師に殺処分する権限がなく飼育者の処分に対する協力が得られない場合は治療拒否せざるを得ず、その場合カエルツボカビの野外流出の危険は治療する場合よりも高くなると考えられる事、家畜伝染病予防法等で定められている手続・保障がカエルツボカビには存在しない事を考えると、今回の判断は正しかったと思います。



「野生下でのカエルツボカビ検出状況」(麻布大 宇根、環境研 五箇、神奈川衛研 黒木、慶応大 福山)

野生由来の個体23種、132匹について予備的調査を実施した。調査個体の内、30匹が人が全く触れていない個体、残りの102匹が何らかの形で人と関わりがあった個体。

上記30匹の内4匹、102匹の内38匹でPCR法による検査結果が陽性となった。野生由来の4匹はすべて神奈川県で採集されたウシガエル。

この他に千葉県のアカハライモリ・タゴガエル・ウシガエル・ニホンアマガエル・カジカガエル、沖縄県のシリケンイモリ・オキナワアオガエル、茨城県のニホンヒキガエル・ウシガエル、埼玉県のニホンアマガエルから陽性反応がえられた。ただし、これらはオークションやペットショップで販売されていたり一時的に施設で飼育されていたため、ただちに採集場所がカエルツボカビで汚染されていることにはならない。

陽性個体42匹は1匹を除いて見かけ上の異常は観察されず、異常が認められた1匹はカエルツボカビ以外の原因で死亡したと判断された。

感想他: 感染している割合がかなり高いことが注目されます。愛玩飼育されていた個体は体調に何らかの異常が認められツボカビ検査されたものが中心で、その感染率は34.7%でした。これに対し無作為に入手した野生由来個体では132匹中42匹(31.9%)、特に人と接触した個体では102匹中38匹(37.3%)にカエルツボカビ感染が確認されています。従って在来種だから安心とは全く言えません。外来両生類同様の飼育水の消毒等が必要です。

カエルツボカビが野外に流出していることから、フィールドワークに伴って観察者や採集者がカエルツボカビを拡散させる危険性も考慮しなくてはなりません。異なる水系を移動する場合はその都度、靴や器具を消毒するもしくは交換する必要があります。
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2008/07/30(水) 09:58 | URL | Sujilxbd #-[ 編集]
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2012/11/12(月) 16:34 | | #[ 編集]
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