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動物輸出入・密輸

動物輸出入・密輸 に関する記事です。
CITESのI種に指定されて商業取引が禁止される事で、逆に野生動物に危機をもたらしているケースがあることがCITESデーターベースの解析によって裏付けられたそうです。

CITES II種からI種に昇格された生物の取引量を、商業取引禁止の5年前から禁止後3年までの9年間にわたって調査した所、禁止1年前に取引量が激増(それまでの年の2.35倍程度)していることが確認されました。つまり商業取引禁止が決定することにより、逆に取引量の増加をもたらしてしまっているのです。

この理由はもちろん禁止前の駆け込み取引によるものです。CITESでI種に指定されてから実際に国際的に商業取引が禁止になるまで240-420日の準備期間があります。調査によるとこの期間にエジプトリクガメの推定生息数の半分(2800匹)、ジェフロアネコの推定生息数の1割が取引されたそうです。(元記事には「殺された」とありますが、オリジナルのNatureの論文ではちゃんと輸入されたとなっています。)

駆け込みによる輸入量の急増が実際に日本であったかというと、前回のクモノスガメの時は端から見ている分には目立つほどあったようには思えません。エジプトリクガメの場合もI種に昇格するから輸入量が増えたというより、取引量が急増したからI種に指定されたような気がします。(I種指定により値段はそれなりに上がったという記憶があり)このへんはCITESのデーターベースをチェックすればわかるのですが、とり合えず暇がないのでパス。(そのうち調べるかも)

もちろんちょっと前に摘発された様に、I種に昇格する前に密輸して一儲けしようとするアホも国内には存在するのですが、、、

この手の一般的な問題に対応するのに一番簡単な方法は多分先にさっさとIII種に指定しておいて、その後の締約国会議でI種やII種への格上げを図ることでしょう。この場合は自国の生き物にしか対応出来ないという問題は残りますが、これはしかたがないかもしれません。また今回の調査対象の様なII種からI種への格上げの際も、輸出国が認める限り輸出量の増加を防ぐことはできませんが、自国の野生動物の利用権原は原則としてその国にあるのでCITESの取り決めを超えて規制する事は難しそうです。

個人的には有る程度の取引量の増加は仕方がないのではという気がします。ただCITESに指定された事を奇貨として新たに野生個体を利用し儲けを得ることはかなり問題があると思います。(逆にCB個体の取引は、以降一切商取引ができなくなることを考えれば利用できる範囲で増加するのは当然でしょうし、特に問題になるような行為だとも思えません)この手の問題については、後ろめたいことはしないというのが重要では無いでしょうか。

NewScientist.com Trading bans have a perilous downside for wildlife
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「生態系に影響を与える恐れのあるインドネシア産のカエルがペット用に不正輸入された事件で、警視庁生活環境課は30日、外来種被害防止法違反の疑いで、水産輸入会社「大進漁業」(東京都港区)社員、金崎正治(35)=東京都葛飾区青戸=とペットショップ経営、佐々木弘史(39)=町田市野津田町=両容疑者を逮捕した。

佐々木容疑者は「昨夏、金崎容疑者から『インドネシアではカエルが簡単に捕れもうかる』と輸入を持ち掛けられた」と供述。大進漁業自体の関与がないか調べる。」
産経新聞 (2007/05/30 11:50)

ついに逮捕されてしまいました。未判定外来生物の輸入に関して被疑者が逮捕されるのは今回が初めてだそうです。報道された内容から見る限り、輸入会社よりもペットショップの方が関与の割合が強そう。

この前環境省の外来生物対策室の方にうかがったら、未判定外来生物の輸入申請はまだ2件しかでてないそうです。(1件は特定外来生物に指定で輸入禁止に、2件めは特定外来生物に指定の方向でパブコメ募集中)未判定については基本的に輸入は出来ないと考えた方がよいでしょう。

逮捕された被疑者によると、ヘリグロヒキガエルは現地で一匹120円で仕入れ、日本で2-3千円で販売されたとのこと。利幅は大きいかもしれませんが、捌ける数考えると割に合わない商売ですね。

ちなみに、インドネシアは野生動物の採集、移動、輸出に法律的には厳しく(実際は対応しきれていないと思いますが)、そちらの方でも法律を破っていないか気にかかります。

関連記事
未判定外来生物の密輸
第5回特定外来生物等分類群専門家グループ会合(爬虫類・両生類)
特定外来生物のパブコメ開始
カエルの密輸増加中

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センザンコウ
(c) AFP/HO/File

5,000匹以上の死にかけた野生動物が中国で壊れたボートの中から発見されたそうです。見つかったのは写真のウミガメの他に、トカゲやセンザンコウ、クマの掌など。ボートはエンジンが壊れていて、オーナーが誰だったか示す証拠は今のところ見つかっていません。

pangolin_zoom.jpg
(c) Getty Images

こちらはセンザンコウ。毎月1000頭以上のセンザンコウが東南アジアから中国に密輸されていて問題になっています。センザンコウは2重底のコンテナを利用して密輸されているそうです。

これらの野生動物はすべて食材または漢方薬の原料として中国で消費されます。野生下の生息数が減少すると、価格も上がるので、生き残った個体をさらに一生懸命密猟するという最悪パターンも生じつつあるようです。

そろそろこの当たりで、精神的な観点からお腹一杯になってもいいのではないでしょうか?

Yahoo!News/AFP Over 5,000 wild animals found adrift on boat off China coast
Discovery News Pangolin Smugglers Busted in Asia

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ブラジルの郵便事業者がアルゼンチンから国際エクスプレスメールで配送されてきた怪しい荷物をX線検査した所、中からサソリや毒蛇がわらわらでてきて騒ぎになっています。

検査をした荷物の中には他にもイグアナやリクガメ、トカゲなどが発見されたそうです。

こういった荷物の多くはアルゼンチンやパラグアイからブラジルを経由してヨーロッパに持ち出されるケースが多く、今回の事件もその手の多国間動物密輸の可能性が高いとみられています。

おそらく同じ南米のブラジルに輸出する場合は手続きや検査が簡単な為、一旦輸出のしやすいブラジルを経由してからヨーロッパ等に輸出するのだと思います。アジアのタイ見たいな感じですね。

msnbc Smugglers tried sending snakes via mail

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第14回CITESの締約国会議に提出されたProposalsに対するTRAFFICの見解と、各Proposalに対する補足資料が発表されています。(TRAFFICについてはこちらを参照してください。)愛玩動物に関係しそうなものだけまとめてみました。それ以外はリンク先からどうぞ。

1. スローロリス属全種 附属書IIから附属書Iへ移行

TRAFFICの見解: 反対 資料

2. クロカイマン ブラジルの個体群の附属書Iから附属書IIへの移行

TRAFFICの見解: 賛成 資料

3. メキシコドクトカゲ 附属書IIから附属書Iに移行

TRAFFICの見解: 反対 資料

4. プテラポゴン・カウデルニィー 附属書IIへの掲載

TRAFFICの見解: 賛成 資料

5. サンゴ属全種 附属書IIへの掲載

TRAFFICの見解: 賛成 資料


TRAFFIC TRAFFIC COP 14 Recommendations
IUCN/TRAFFIC The IUCN/TRAFFIC Analyses of Proposals to Amend the CITES Appendices
TRAFFIC EAST ASIA JAPAN ワシントン条約付属書改正提案一覧

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今月3日、クロアチアで25才の男がカメレオン175匹とリクガメ10匹を密輸しようとして逮捕されました。

男は総額150ドルで上記爬虫類をタイにて購入した後、スーツケースに押し込んでクロアチアに持ち込もうとしたそうです。カメレオンは7匹が死亡、15匹がかなり消耗している状態。クロアチアの担当官によると、爬虫類はEU内で20万ドル相当に値するとのこと。(ほんとかな?)


一部のネットで流れている情報によると、カメレオンは周囲の環境にあわせて色と模様を変え、人間には見えなくなるので絶対税関にはバレないと売人に教えられたそうです。

っていくらなんでも、それを信じる人はいないと思うんだけど、、、モンスターズ・インクの見過ぎかな?

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komodo dragon
(c) Axel Koester

写真はロスアンジェルス動物園のコモドドラゴン、1998年に密輸がばれて没収されたものです。リンク先にはアメリカで動植物の密輸取り締りを行っている専門官のインタビュー掲載されています。去年、蝶を売りさばこうとして捕まった日本人の話もちょっとだけ出てきます。

この方によると、アメリカでは動植物のブラックマーケットは麻薬についで2番目に大きく、総額は90-100億ドルにも上るそうです。

っていくらなんでもおかしくない?海賊品のブランド物とかDVDの方が大きいと思うんだけど、、、それに1兆円以上の市場規模があるとはとても思えない。。。

The New York Times Wildlife Smugglers Test Their Skills, Even at the Airportより

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fairtrade


フェアトレード
という取り組みがあります。フェアトレードとは単純に言えば発展途上国の自立をサポートする為に、生産物を一定以上の価格で購入するという仕組みです。

購入者は割り増しの代金を払う事と引換えに、商品にフェアトレードのマークをつける事が可能になります。マークを表示する事によって自らが発展途上国をサポートしていること、環境に配慮している事をアピールする事が出来ます。また、フェアトレードマークの商品を購入する事で、消費者は発展途上国の自立や環境保全を助ける事ができます。

生産者側は誰でもが参加出来るわけではありません。品質基準を満たした生産物を作る事ができ、フェアトレードで得た利益の一部を地域に還元し、生産者の労働条件を確保し、環境保全に取り組む事が要求されます。

つまり、発展途上国が人間と地球に優しい方向で自立するようにインセンティブをつける巧みな手法です。

Cardinal tetra © Max Gibbs/Getty Images
(c)Max Gibbs/Getty Images

話は変わって、写真はカーディナルテトラ。このカーディナルテトラにフェアトレードを導入したいという話があります。カーディナルは繁殖が難しい為、これまで50年間リオ・ネグロでとれるワイルド個体が供給源となっていました。現在では年間40万匹が安定して採集・輸出されているそうです。

商業的な繁殖が困難だったカーディナルですが、最近フロリダでコンスタントに養殖できる方法が確立されたそうです。多産な魚の場合、商業繁殖が確立すると価格的な面から供給源はワイルド物からブリーディング物に軸足が移ります。

ところが、このCBへの移行には環境的に問題があると環境保護団体から指摘されました。逆では?と思ってしまうのですが、裏にはカーディナルテトラ特有の事情があります。

リオ・ネグロ地域の大きな収入源の一つが熱帯魚の採集です。ブラジルの他の地域の熱帯雨林が次々と侵食されていく中、カーディナルテトラに代表される魚がもたらす利益によってリオ・ネグロは違法伐採や採掘計画、宅地化などから守られてきました。カーディナルテトラの採集は現地の自然保護の支えになっているのです。

ワイルド物はCB物より高価になってしまいますが、エコフレンドリーフィッシュとしてワイルドのカーディナルテトラは愛好家に受け入れてもらえるだろうと専門家は考えています。



これ中々面白い取り組みです。熱帯魚の場合、ワイルド物に価値を認める愛好家がそれなりの数を占めているので、CB物より値段が高くても十分商売になると思われます。

ところで、ここで重要なのは50年間も利用が続いているという点です。長期間野生動物の利用を続けていると、だいたい何をしたらヤバイか、どれだけ採集したら個体数の回復にどれくらい時間がかかるかおぼろげにわかってきます。ところが、今まで利用していなかったリソースに突然価値が見出された場合、往々にしてイケイケドンドンで、気がついたら絶滅の一歩手前ということになりがちです。(モロッコのタコとか)

現地採集家はこれまで利用していなかったのですから、当然採集量の限界なんてことは分かるはずも有りません。減ってきたらヤバイと感じますが、ヤバイというのは収入が減ることに対する危機感なので、さらに熱心に生き残っている個体を採集し始めてしまいます。

輸出国の政府や学者がそうなる前にストップをかけるべきだという考え方も有るでしょうが、アメリカやフランスから輸入しているのならまだしも、野生動物の輸出国の多くは発展途上国なので、そんなところまできめ細かく目が届くわけはありません。さらにバンバン採集しているという事はバンバン外貨が流れ込んでくる事にもつながるので、規制に踏み出すのは最後の最後という結果になりがちです。

末端の愛好家に責任があるか?というと消費の一翼を担っているのは確かですが、輸入量や流通量がどれだけか?などわかるはずもありません。(自分が通っているショップや広告などで有る程度は把握できるでしょうが)気がつかない内に絶滅寸前というニュースを聞いて、衝撃を受けるというのが有りがちなパターンです。

(もちろんこれに対しては、飼育する動物の野生での現状を調べてから飼育開始すべきだという至極真当な反論がでてくると思います。)

さて、残ったのは、というと野生動物の流通を担っている方々です。全体として見た場合、この集団には、原産地からどれだけ輸出があったのか、どの国がどれだけ輸入したのか、需要はあるのか、供給状況・現地の状況はどうなのかといった野生動物の持続的利用にクリティカルな情報全てを入手可能な位置を占めています。さらに言えばこの集団が動物の流通によって最も利益をあげているグループにもあたります。

フェアトレードの流れが進むのかどうかは不明ですが、野生動物の利用については、業界をリードしている方々はよりよいシステムを構築していく義務があると思います。

ps.
例えばまだ輸入量はさして増えていませんが、最近爬虫類を輸出するようになったベナンなどは、乱獲が起きないよう消費国側が有る程度注意を払っておく必要があると思います。

National Geographic Fair-Trade Pets? Eco-Fish Touted to Save Amazon Enclaveより

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Bufo melanostictus Southeast Asian Toad © 2005 Dr. Peter Janzen
© 2005 Dr. Peter Janzen
iza 未許可のカエル不正輸入、ネットに出品で捜査より


未判定外来生物の密輸で東京都港区の水産輸入会社とノアズアーク(らしい)が家宅捜索されました。問題のカエルはヘリグロヒキガエル、輸入した水産会社は「ヌマガエル」という名で輸入してたそうです。

ビッダーズにも販売の痕跡が残っています。(123)

カエル飼っている人は御存知だと思いますが、外来生物法により基本的にヒキガエル属は輸入できません。輸入できる外来のヒキガエル属のカエルは

- テキサスミドリヒキガエル(B. debilis
- ロココヒキガエル(B. paracnemis
- ナンブヒキガエル(B. terrestris
- ガルフコーストヒキガル(B. valliceps
- ヨーロッパミドリヒキガエル(B. viridis

だけです。これらの種を輸入する場合でも種類名証明書の添付が必要になります。オオヒキガエル(特定外来生物で輸入が出来ない)と未判定外来生物(上記5種+在来種)以外のヒキガエルを輸入しようとしたら、事前に環境省に届け出が必要になります。ただしこれまでの結果を見る限り、「環境省に届出→特定外来生物に指定→以後の新たな飼育禁止」となって輸入どころか飼育/繁殖禁止になるだけでしょう。

なお、オタマジャクシについてはどんな種であろうが輸入の際に種類名証明書の添付が必要です。種類名証明書は外国の政府機関か、環境省が認めた一部の機関が発行したものが必要です。採集者、ブリーダー、動物園、研究機関、分類学者が作ったものは原則として種類名証明書とは認められません。



こんなのやって、いい事なんか何にもないのに。バレたら飼育者が白い目で見られるだけです。(to 微妙な「すじを」を輸入している皆さん)


つうか去年・一昨年とインドネシアからはカエルは1匹も輸入していないことになっているんですけど、記録上。この水産会社、もしかして無茶苦茶やってない?


関連記事: 2006年 爬虫両生類 輸出入事情
外来生物法に関する環境省のページ



ps. 一部の報道に「飼育」が規制されているとありますが、誤りです。このカエルを飼育していても外来生物法に関しては何も心配する必要がありません。またノアズアークからこのカエルを購入していても、罪に問われるようなことは一切ありません。現在国内でヘリグロヒキガエルを販売している場合も同様です。

外来生物法で規制しているのは未判定外来生物の輸入だけです。



特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律

第二十一条  未判定外来生物(在来生物とその性質が異なることにより生態系等に係る被害を及ぼすおそれがあるものである疑いのある外来生物として主務省令で定めるもの(生きているものに限る。)をいう。以下同じ。)を輸入しようとする者は、あらかじめ、主務省令で定めるところにより、その未判定外来生物の種類その他の主務省令で定める事項を主務大臣に届け出なければならない。

第二十三条  未判定外来生物を輸入しようとする者は、その未判定外来生物について在来生物とその性質が異なることにより生態系等に係る被害を及ぼすおそれがあるものでない旨の前条の通知を受けた後でなければ、その未判定外来生物を輸入してはならない。

第三十三条  次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
三  第二十三条の規定に違反した者




ps. 2
下のニュースソースでは「国内の生態系に影響が出るおそれがあるため輸入が規制されている」とありますが、間違いです。国内の生態系に影響が出るか出ないか不明なため輸入が規制されています。

また「警視庁は、カエルの不正輸入が国内でのツボカビの感染拡大につながるおそれがある」としているそうですが、カエルの不正輸入とツボカビの感染拡大はなんのつながりも無いと思います。ツボカビで一番最初に影響を受けるのは、カエルを売って生活している人です。

NHKの発表

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Proposals for amendment of Appendices I and II

今年の6月にオランダのハーグで第14回CITESの締約国会議が開催されます。リンク先はそこで検討される付属書I/IIの改正案です。

爬虫類関連ではクロカイマン(ブラジルの個体群のみ)を付属書I→IIへ(ブラジル提案)とメキシコドクトカゲの1亜種(Heloderma horridum charlesbogerti)を付属書II→Iへ格上げ(グアテマラ提案)の2項目のみ。

気になっていた両生類の追加はなし。

その他に愛玩動物関係では、スローロリス属全種II→Iへ格上げ、プテラポゴン・カウデルニイ及びサンゴ属全種付属書IIへ追加ぐらいでしょうか。

爬虫両生類には大きな影響は無さそうですが、両生類とかアジアのカメとか大丈夫なのだろうか、、、

トラフィックイーストアジアジャパン
に詳しい解説が載っています。

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